2019年2月16日土曜日

『アルハイラト・ジャンビア』第2章_22

 二人の摩擦の熱は引いた。だがそれも長くは続かず騒乱は起こった。
 ――アンナムル反乱軍蜂起!
 アジャール家は震撼した。カーラム暦987年の事である。
 アジャリア様をお護りするのだと言ってアジャリア寄りの将等が各城邑アルムドゥヌ に声掛けし、ハラドは血気に沸く士族アスケリ で溢れかえった。
 ――ヤルバガ・シャアバーンを誅伐せり!
 騒動の中心に居るアジャリアは、騒ぎを大きくするのを好まず家来達に不確かな情報を流すのを禁じたが、こうした報せは矢のように飛んできて、また誰かが矢を自分の弓に番えて飛ばしてゆく。人の意思ではどうにもならぬ、治から乱への流れがあった。 

※ この物語はフィクションであり実在の人物団体とは一切関係ありません。

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