バラザフ達に命ずる大喝でアジャリアは周辺の大気を震わせた。ナウワーフや他の近侍 達、そしてバラザフも、戦いに臨む姿勢で各々の武器を構えている。
霧中――。刃と刃がぶつかる金属音、敵味方の吶喊、火薬の爆音が遠くから迫ってくる。
――不利な戦況だ。
アジャリアのもとに絶え間なく駆けて来ては告げる、伝令達の言葉から、バラザフはそう判断した。
腰に佩いているエドゥアルドから貰った御守の諸刃短剣 を、バラザフはぐっと握り締めた。
「うわーー!」
近侍 の一人が堪えきれなく奇声をあげた。太陽が上へ昇り、霧が消えると戦場が露 になった。白い幕で覆われていた戦いが眼に映ったのである。
戦場の恐怖は新兵達の口を乾かせ、腰から下の力を奪った。そして頭の一部で、喉が渇いたと、ほんの少し冷静に思っていたりもする。
――前線、崩壊
――様、戦死
遠くから聞こえてくる伝令の報告は依然として芳しくなく、重臣までもが次々と戦死している。
※ この物語はフィクションであり実在の人物団体とは一切関係ありません。
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腰に佩いているエドゥアルドから貰った御守の
「うわーー!」
戦場の恐怖は新兵達の口を乾かせ、腰から下の力を奪った。そして頭の一部で、喉が渇いたと、ほんの少し冷静に思っていたりもする。
――前線、崩壊
――様、戦死
遠くから聞こえてくる伝令の報告は依然として芳しくなく、重臣までもが次々と戦死している。
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