以前にバラザフはズヴィアドから陣容について教授された事があった。
「双頭蛇 。前後の兵が滑らかに稼動出来る。長く延びたこの体系は将兵が多いときに効果を発揮する。稲妻 の変種といえる」
――今のこれはズヴィアド様の言っていた双頭蛇 ではないか。
バラザフの脳内の過日のズヴィアドはさらに教授を続けた。
「群飛雁 。雁は群れで飛ぶ。その形がこの体系だ。双頭蛇 から群飛雁 へ、群飛雁 から大隊の稲妻 へと変形してゆく。さらにここから各所の先端を尖らせるように変形すると並列錐 になる」
変形が進むにつれて違えに兵を配置している稲妻 の溝が深くなるという事である。
そしてこれらは陣容の枢要と施用であり、上に立つ者の差配如何で明暗を別けるのだとズヴィアドは最後に念を押した。
その枢要と施用が、今バラザフの目の前で驚くべき事に生きて動いている。バラザフは愉悦の中に居た。戦場での戦術的な将兵の動きを観ているのが愉しかった。自分が今それを愉しんでいるのだと自覚していないほど没入しきっていた。
※ この物語はフィクションであり実在の人物団体とは一切関係ありません。
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「
――今のこれはズヴィアド様の言っていた
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「
変形が進むにつれて違えに兵を配置している
そしてこれらは陣容の枢要と施用であり、上に立つ者の差配如何で明暗を別けるのだとズヴィアドは最後に念を押した。
その枢要と施用が、今バラザフの目の前で驚くべき事に生きて動いている。バラザフは愉悦の中に居た。戦場での戦術的な将兵の動きを観ているのが愉しかった。自分が今それを愉しんでいるのだと自覚していないほど没入しきっていた。
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