バラザフは騎兵百五十、歩兵三百を任されている。若くして一太守に抜擢されたとはいえ、こちらはまだまだ小部隊の隊長なのである。
一週間後、クウェート――。
バシャール・サバーハはクウェートの街を棄てた。アジャリアの率いる大軍がクウェート間近に迫ると、慌てふためいて北のサフワーンの街まで一目散に逃げたのである。軍用のみならず身近の馬まで家来に持ち去られ、哀れにもサバーハの一族はサフワーンまで自分の足を繰り出し続けるしかなかった。しかも、彼等がサフワーンの街に逃げたとすれば、アジャール、レイスに南北から挟まれる事になってしまうのだが、そんな大局を見る目は度を失ったバシャールは、全く持ち合わせていなかった。
結果、一滴の血も流す事無く、アジャリアはクウェートを手に入れた。無論、分け前をファリドにくれてやるつもりもない。
一週間後、クウェート――。
バシャール・サバーハはクウェートの街を棄てた。アジャリアの率いる大軍がクウェート間近に迫ると、慌てふためいて北のサフワーンの街まで一目散に逃げたのである。軍用のみならず身近の馬まで家来に持ち去られ、哀れにもサバーハの一族はサフワーンまで自分の足を繰り出し続けるしかなかった。しかも、彼等がサフワーンの街に逃げたとすれば、アジャール、レイスに南北から挟まれる事になってしまうのだが、そんな大局を見る目は度を失ったバシャールは、全く持ち合わせていなかった。
結果、一滴の血も流す事無く、アジャリアはクウェートを手に入れた。無論、分け前をファリドにくれてやるつもりもない。
※ この物語はフィクションであり実在の人物団体とは一切関係ありません。
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