戦いの趨勢の決まったジュバイルで、太守が降伏を受け入れるまで時を要せず、アジャール軍はジュバイルの城邑
を押さえ、この領域を手中に収めた。
ジュバイルをアジャール軍の城邑
として機能させるための事務作業に勤しむバラザフにレブザフが寄って来て、
「例えばですよ、兄上。あそこでこちらの弓兵を城壁のすぐ傍に置いて、ほぼ真上に矢を射させれば、盾兵を越えて城内を攻撃出来たのでは」
と問うた。
「向こうにも弓兵が居ただろう。盾を退かせて再び奴等が前に出てきたら、間近の良い的になるだけだ」
「なるほど。私が迂闊でした」
とレブザフは軽く笑った。まだまだ自分は兄の兵術には及ばぬながら、己を知り少し成長出来たという嬉しさと、兄の知恵を頼もしく思う気持ちとがそこにあり、充実して自分の作業の持ち場に戻っていった。
兄と比べてレブザフの死線をくぐり抜けるような場数はまだ少ない。だが、身近に理想的な手本が居る事と、自身への客観的な照顧と、吸収の良さが、彼を最短距離で謀将としての道を走らせている。
※ この物語はフィクションであり実在の人物団体とは一切関係ありません。
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【創作活動における、ご寄付・生活支援のお願い】
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ジュバイルをアジャール軍の
「例えばですよ、兄上。あそこでこちらの弓兵を城壁のすぐ傍に置いて、ほぼ真上に矢を射させれば、盾兵を越えて城内を攻撃出来たのでは」
と問うた。
「向こうにも弓兵が居ただろう。盾を退かせて再び奴等が前に出てきたら、間近の良い的になるだけだ」
「なるほど。私が迂闊でした」
とレブザフは軽く笑った。まだまだ自分は兄の兵術には及ばぬながら、己を知り少し成長出来たという嬉しさと、兄の知恵を頼もしく思う気持ちとがそこにあり、充実して自分の作業の持ち場に戻っていった。
兄と比べてレブザフの死線をくぐり抜けるような場数はまだ少ない。だが、身近に理想的な手本が居る事と、自身への客観的な照顧と、吸収の良さが、彼を最短距離で謀将としての道を走らせている。
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